青空をバックに凛としてそびえ立つ大阪城天守閣。
大阪城は天下統一をめざす豊臣秀吉によって天正11年(1583)、大坂(石山)本願寺跡で築造が開始された。城の本丸のなかで最も中心の建物である天守閣はその2年後に完成したが、元和(げんな)元年(1615)の大坂夏の陣で豊臣氏の滅亡とともに天守閣も消失。徳川時代になって再建されたものの寛文5年(1665)、落雷によって再び消失。以来、大坂城に天守閣がなかった。現在の天守閣は昭和6年(1931)、当時の関市長の呼びかけで大阪市民から寄付金150万円が集められ、復興されたもの。266年ぶりに甦った天守閣は、地上55m、5層8階、屋根の鯱、勾欄下の伏虎など、いたるところに施された黄金の装飾が燦然と輝いている(国の登録有形文化財)。平成7〜9年(1995−97)にかけて大改修が行われた。広大な大阪城と大阪の街を一望できる8階の展望台や、3・4階の貴重な歴史資料展示、また、特別に復元した秀吉の兜「馬藺後立付兜(ばりんうしろだてつきかぶと)」や真田幸村の兜「鹿角脇立付兜(かづのわきだてつきかぶと)」などを陣羽織と一緒に試着できる2階の体験コーナー(1回¥300)が人気。その他、日本語・英語・中国語・韓国語に対応した音声ガイドの無料貸出サービスも受けられる。国内外から年間130万人が訪れている。